子どもの摂食嚥下障害の特徴を理解し、 能力を引き出す支援を
1.子どもの摂食嚥下障害の特徴
子どもにおいて始まった摂食嚥下リハビリテーションは成人に広がり、摂食嚥下障害の議論は高齢者を中心になされることが多い。成人と子どもは共通点もみられるが、相違は大きく、子どもの支援には、まず子どもの摂食嚥下障害の特徴を理解することが必要である。
1-1 行動の理解が必要である
成人との最大の違いは、子どもが発達することである。成人や高齢者は、現状維持もしくは元の状況への回復が目標となるが、子どもは発達を促すことが必要になる。したがって、そのための新しい経験を積んでいくこの当然ともいえることを十分に理解することが必要である。
1-2 成長のための栄養の評価が重要である
子どもの身体は発育期にあたるので、基礎代謝や活動エネルギーの他に、発育に必要な栄養を考慮しなければならない。そのため、栄養必要量・バランス、ビタミン・ミネラルや微量元素などの過不足を評価する。しかしながら基礎疾患や合併症がある時は、栄養必要量などの推定は必ずしも容易ではないことを考えておく。そして経管栄養をしている場合は栄養の過剰投与にも注意がいる。
1-3 基礎疾患・合併症を考慮する必要がある
すべての子どもにおいて、摂食嚥下障害の病態とともに、基礎疾患や合併症を考慮しなければならない。摂食嚥下機能に及ぼす直接的な影響としては、口腔形態の問題や嚥下に関与する中枢・末梢神経の障害などがある。間接的な問題としては、種々の原因により全身状態が悪いことが摂食嚥下機能の低下につながることである。したがって、基礎疾患・合併症や日々変わる全身状態を評価できることが、摂食嚥下障害の対応に必要である。
1-4 軽症から重症まで幅広い
子どもの摂食嚥下障害には、少食や偏食などの日常生活にみられる問題から、経管栄養が必要な場合まで、幅広い問題が含まれる。同じ摂食嚥下障害においても、それぞれの重症度を考慮した上で計画を立てる。
1-5 子育ての中で対応する
乳幼児期の摂食嚥下障害の対応は、子育ての中で行うことになるため、育児全般に関する知識が必要となる。食べることは子どもにとって生活の中心であり、コミュニケーションや社会性などを獲得していく。保護者にとっては食べさせることは育児の中心であり、それがうまくいかないことは大きなストレスとなる。
2.子どもの摂食嚥下障害の評価
子どもの摂食嚥下障害の評価は、まず基礎疾患・合併症や全身状態の評価が必要になる。まずは安静時の子どもを観察し、呼吸状態、喘鳴の有無、唾液の処理、口唇の閉鎖、顔面の動きや表情など摂食嚥下機能に関することを評価する。次に少量の食物を食べさせ、その状況を観察することで子どもの摂食嚥下障害を総合的に評価する(表1)。
子どもは摂食嚥下機能検査への協力が得られないので、成人で行われる簡易検査などはほとんど活用できない。不顕性誤嚥のような場合はビデオ嚥下造影検査が役立つので、適応と限界を考慮して行う。内視鏡検査は咽頭・喉頭機能の評価に役立つ。しかし食物の嚥下時に行う嚥下内視鏡検査は、誤嚥の危険があるので子どもでは勧めない。
重症度 | 所見*1 | 目標 | 対応 | |
---|---|---|---|---|
口唇閉鎖唾液の飲み込み | 指しゃぶりおもちゃなめ | |||
軽症~中等症 | 〇 | 〇 | 自分で食べるための支援 | 手づかみ食べの促進*2 |
中等症~重症 | △〜○ | △〜× | 介助による食事 | 上手な介助 |
重症 | ×~△ | × | 経口摂取困難 | 胃瘻など |
*1 〇はできる、△はある程度できる、×はできない
*2 手づかみできるような食物(固形物)を与えることが必要
3.摂食嚥下障害の対応
摂食嚥下障害の支援は、上手に食べさせることや食べる量を増やすことを考える前に、子どもが食べることを楽しめることが大切である。それにより食行動が拡がり、社会性やコミュニケーションなどの子ども全体の発達が促される。
その支援としては、機能的な面に加えて、子どもの意思や行動にどれだけ配慮できるかということが大切になる。介助者が良いと考える姿勢や食物形態を子どもに押し付けるのではなく、子どもの要求を状況に応じて柔軟に対応する。そして上手に食べることではなく、食事を楽しむことを支援していく。
3-1 トータルケアとして支援する
食事は繰り返す毎日の生活であり、支援計画を立てるときは、食事を訓練の時間にしないことである。摂食嚥下機能療法は摂食嚥下機能向上のためだけのアプローチではなく、楽しく食べることを通した生活や成長・発達の支援である。
そして、栄養摂取や安全のために誤嚥を回避し、基礎疾患や合併症などを総合的に考えて、子どもに適した目標を設定し摂食嚥下機能の促進を図る。
3-2 食事を楽しむ
摂食嚥下機能療法においては、保護者や介助者が子どもとともに食事を楽しめる時間にしていくことが必要である。技術的な対応法に注目しがちになるが、基盤となる身体や行動・心理面も含めた総合的な支援が重要である。
支援する場合は、何でも介入すればよいということではない。不必要な介入は自立を阻害する。摂食嚥下機能療法をがんばったために食事を楽しむことができない状況では、機能を引き出すことはできない。子どもが嫌がるような“摂食訓練”は不適切であり、無理にがんばって多くの量を食べさせても、次のステップにつながらない。
3-3 食べる意欲を育てる
食事の基本は、食べさせてもらう技術の向上ではなく、自分で食べることの獲得である。身体的な理由により自分で食べることができない場合もあるが、子どもが自分で食べる意欲を引き出す支援が基本となる。それは、自分で食べたいという意欲が、手や体を動かそうとすることにつながり、摂食嚥下機能を最大に発揮することにもつながるからである。このような面から考えると、軽症児と重症児の摂食嚥下機能は異なるが、根本的な考え方は同じである。
表2には乳幼児期摂食嚥下機能に大きな問題はないが、食べない/食べられない子どもの対応法の概要をあげた。
ステップ | 対応 |
---|---|
1.現状の問題点の総合的な 把握と今後の計画の作成 | ・摂食機能障害がないことの確認 (嚥下造影、嚥下内視鏡検査などの評価は、多くの場合不必要) ・基礎疾患の把握 (摂食嚥下障害につながるような基礎疾患のないことの確認) ・全身状態の把握 ・介助者と子どもの食事の時間における信頼関係の構築 |
2.自分で食べる意欲を 育てる | ・従来の摂食指導や日常生活での問題点の改善 (生活のリズム、楽しく食べる、食べることを強制しないなど) ・自分で食べることを育てる (手づかみ食べを促進、手づかみで食べられる食品を用意) ・スプーンは嫌がらないときのみに用いる (介助はしない) |
3.好きなものを探し、 楽しく自由に食べさせる | ・楽しく、自由に食べさせる ・好きな飲み物や食べ物を探す (量を増やす必要はなく、形態は何でもよい) ・コップは自分で持って飲めれば使用するが、難しいことも多い |
4.経管栄養の注入量の減量 | ・体重減少も起こりうるので、全身状態を確認しながら進める ・ビタミンなどの不足に注意する (栄養補助食品などでの補給が必要なこともある) |
5.カテーテルの抜去と 経管栄養の中止 | ・自分で食べることや飲むことに意欲がみられれば、食べる量は必 要と思われる量の1/5~1/4程度でもカテーテルの抜去を試みる ・カテーテルの交換時に、抜去したままで少し経過をみる ・体力や体調の維持ができないときは、再挿入する。状況をみながら再度抜去を試みる ・体重減少はしばしばみられるが、体調を管理しよければ経過をみる |
5.経管栄養中止後の フォロー | ・食べられるようになっても、食事の偏りがすぐには解消できないこともある ・偏りが多い場合には、必要栄養素を考慮しビタミンなどの補給が必要 ・食事の偏りは長期に続くこともあるが、食事を楽しむことを維持して経過をみる |
4.摂食嚥下機能支援の基盤(表3)
摂食嚥下障害のある子どもは、基礎疾患や合併症を持つことが多い。そのため、楽しく食べるには、体調不良などの阻害する要因を排除することが必要である。そして、安心できる環境において、空腹や食欲を引き出す感覚刺激が加わるようにする。このような状況を整えることにより、最大の摂食嚥下機能を発揮できる。
安心できる環境 | ・食事は安心できる場所であることが大切である。あまり気が散らない環境が適し、皆で食卓を囲むような、食事への適度の意識が望まれる |
---|---|
介助者との信頼関係 | ・食事は信頼関係やコミュニケーションを育てる時間であり、食事時間がたくさん食べさせるための戦いとなってはいけない ・摂食嚥下障害がある場合は、保護者が栄養を摂らせねばならないという意識が強くなり、摂取量が少しでも減ると不安になり、子どもに食事を強要することにつながる。上手にたくさん食べさせようと思えば思うほど、子どもにも介助者にもストレスがかかる ・過保護や溺愛、また過剰な心配や否定的な気分になることもあり、親の不安への対応も重要なことである |
生理的欲求 | ・空腹でなければ他の条件を整えても、食べる機能を十分に引き出せない。その空腹を引き出すためには体調や環境も重要である ・子どもが空腹のサインをしっかり出すわけではないので、小さなサインを感じとることが必要である |
食べる意欲 | ・自分で食べようとする意欲を育てる。摂食嚥下障害のある場合は、「食べさせてもらう」「食べさせてあげる」という関係になりがちで ある。このようにならないためには、乳児期から子どもの食べる意 欲を引き出すことである |
呼吸と筋緊張のコントロール | ・重症児においては、呼吸と筋緊張のコントロールは重要であり、それぞれの障害に合わせて食べるための良い姿勢をとる必要がある |
5.摂食嚥下機能支援をいつから始めるか
多くの摂食嚥下障害は乳児期以前におこり、子どもへの支援は、なるべく早い時期から行う。しかしながら、不適切な対応が早期から行われると問題は大きくなる。
最初の支援は、摂食嚥下障害についての保護者への説明になる。基礎疾患や全身状態との関わりが大きいため、まずは食べることへの不安を解消する説明を行い、摂食嚥下機能を促すための考え方の基盤を作る。機能療法を早期から行うことが早期支援ではなく、基礎疾患や育児や生活の中に対応を組み込み、それぞれの年齢と病態に応じた計画を行うことが大切である。
乳児期の支援で特に大切なのは、支援者が摂食嚥下障害の原因や病態を理解することと、子どもが食べることが楽しいという感覚を育てることである。重症度によって支援計画は異なるが、食べることの基本的な考え方は同じである。
6.口腔周囲の過敏と除去
口腔および口腔周囲の感覚刺激に対して嫌がることをしばしば〈過敏〉と評価される。口は外界と体内がつながる場所であり、食べる時に危険な物を見分けて回避することが必要である。そのため口腔周囲は敏感な場所であり、触れられて嫌がることは当然といえる。食べない子どもの多くは、口腔周囲の感覚刺激を嫌っているだけである。この感覚刺激を心地よく感じるようになることが大切である。
6-1 食物への興味を引き出す
乳児が口腔内に入れるもので警戒しないものは、母の乳首や自分の指に始まる。指しゃぶりや玩具を自分で口に持っていくことはできるが、他人の手やスプーンなどを拒否する子どもは、それらを警戒して嫌がっていると考えられる。
子どもが嫌がる反応を減らすには、無理に嫌がる刺激を入れずに、自分で食物などを口に持っていくことなどの経験を積み重ねる必要がある。食に関わる経験を積む中で、食物に対する興味や楽しさが引き出されていく。不快な経験が長期に続いた場合には、その解消に長期間を要する。
6-2 歯肉マッサージの注意点
しばしば口腔の触覚過敏を除去するということで、歯肉マッサージが行われることがある。しかし口腔周囲の触覚刺激や歯肉マッサージは不快な刺激になるので、適応は限られる。嫌がる子どもの口腔に無理に触れることは、外からの感覚刺激の受け入れを悪化させる。口腔の刺激を嫌がる場合は、遊び、や入浴などの日常生活を通し快を感じる感覚刺激を入れ、子どもの積極的な受け入れを引き出す。そのためには、味覚、嗅覚、触覚、視覚、聴覚などから、心地よく楽しいと感じられる感覚を入力する。
重度の摂食嚥下障害のある場合の歯肉マッサージは、口腔ケアにつなげる目的で行う。そして口腔ケアにより誤嚥性肺炎の予防し、健康管理に役立てる。
7.口唇介助や筋訓練について
口唇閉鎖は、摂食嚥下機能において重要なことである。姿勢や食形態、食具の工夫により、口唇を閉鎖しやすい状況をつくる。安定した姿勢を保つことが大切であり、頭頸部の適切な支持や介助で口唇や顎の動きを引き出す。
子どもが口唇閉鎖をする動作には、食べること以外にも指しゃぶりや玩具をなめることなどがある。さらに機能の高い子どもでは、ストローや玩具のラッパを吹くことで口唇閉鎖が促される。このように食事時間以外に口唇閉鎖することができるならば、食事中にその機能を引き出すことを目指す。
7-1 口唇閉鎖に関する注意点
口唇閉鎖が不十分であると、その対応として口唇を介助して口唇閉鎖を促すことがしばしば行われる。しかし食事中の口唇の介助は不快なことであり、食事の意欲を減らす。介助の基本は、子どもの動きをコントロールするのではなく、動きを引き出すことにある。
口唇閉鎖ができないといっても筋緊張の亢進や筋力低下や知的障害などと状況により対応も異なる。筋力が低下するような疾患では、低下した筋力を補うための適切な姿勢や顎の介助を行うことが有効になる。
7-2 筋肉の運動を引き出す
成人では、口腔周囲の筋を動かす嚥下体操などが行われ、摂食嚥下機能の維持や改善に有効である。子どもでも使用しない筋肉は廃用性に萎縮するので、自ら口腔周囲の筋を動かすことは大変よい。
しかし、摂食嚥下障害のある子どもにおいて、指示に従って口腔周囲の筋肉を動かすことはできない。口の周囲に外から力を加えると、その抵抗で筋肉は動くが、それでは口を使うことを楽しめない。
食べること以外でも、笑う、泣く、声を出すことなどで口腔周囲の筋肉は動く。口や顔を使い、指しゃぶりや玩具をなめるといった遊びを楽しむことで、摂食嚥下機能を引き出すことにつなげる。
8.重症児の摂食指導
基本的に食べることは楽しいことであるが、基礎疾患や摂食嚥下障害があるために食事が楽しいと感じられないこともある。さらに誤嚥や誤嚥性肺炎で入院を繰り返す場合は、食べることが苦痛になる。そのような場合は経口摂取を回避することが、子どもの生活の質の向上につながる。
食べることは子どもの生活に重要なことであるが、食べることが楽しいことにつながらなければ、経鼻カテーテルや胃ろうからの注入による栄養補給も選択肢となる。その上で、一口でも味や香りを楽しめることにつなげる。
9.摂食嚥下障害の原因疾患と病態
摂食嚥下障害の主な原因は、未熟性、唇裂・口蓋裂、脳性麻痺、奇形症候群、染色体異常、フロッピーインファント、神経・筋疾患、全身状態、精神・心理的問題などがある(表4)。
摂食嚥下障害は新生児期あるいは離乳期からみられる場合が多く、原因は複数にわたることが多い。
問題発生の時期や年齢により、哺乳以前,哺乳期,離乳期,離乳以後と分けることや、摂食嚥下機能の病態により、捕食、咀嚼(哺乳)、嚥下過程の障害に分けることもできる。乳幼児期は発達過程にあるため、その症状の経過は年齢とともに変化し、固定されたものではない。予後は良好なものから不良なものまで、さまざまである。
それぞれの病態で対応は異なるが、すでに述べたように基本となる考え方は共通しており、疾患により変わらない。
1.未熟性 | 低出生体重児、早産児 | |
---|---|---|
A:口腔 | 口唇裂、口蓋裂、粘膜下口蓋裂など | |
B:舌 | 巨舌(先天性リンパ管腫など)、無舌・小舌症など | |
C:鼻腔 | 先天性後鼻腔閉鎖症・狭窄、鼻炎、副鼻腔炎など | |
D:下顎 | 小顎症(Robinシークエンス、Treacher-Collins症候群など)、顎関節強直症など | |
E:咽頭 | 嚢腫、膿瘍、腫瘍、喉頭軟化症など | |
F:食道 | 食道閉鎖症、狭窄症、血管輪、縦隔腫瘍など | |
A:大脳、小脳 | [脳性麻痺] (原因としては下記の疾患も含まれる) [出生前原因] 脳形成不全、染色体異常症、奇形症候群、 低酸素・虚血性障害、先天性感染など [周産期原因] 低酸素性虚血性脳症、核黄疸、低血糖、中枢神経系感染症、頭蓋内出血など [その他] 中枢神経感染症・感染症後、代謝性疾患、ミトコンドリア脳筋症など |
|
B:脳幹 | Arnold-Chiari奇形、脊髄空洞症、脳神経核欠損(Möbius症候群など)、骨形成不全症、腫瘍(脳幹、後頭蓋窩)、外傷性、脳幹脳炎など | |
C:脳神経(Ⅴ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ、ⅩⅡ)、脊髄、末梢神経 | 先天性(Werdnig-Hoffmann病)、腫瘍(神経線維腫症など)、外傷性(分娩麻痺)、感染症・感染症後(Güillain-Bárrè 症候群、破傷風)など | |
D:筋、神経・筋接合部 | 進行性筋ジストロフィー症、フロッピーインファント(先天性筋ジストロフィー症、筋強直性ジストロフィー症、先天性ミオパチー、Prader-Willi症候群など)、内分泌・代謝性(甲状腺機能低下症、先天性代謝異常症)、薬物性・中毒症(ボツリヌス毒素)など | |
4.咽頭・食道機能障害 | 咽頭機能不全、輪状咽頭筋機能不全、食道弛緩症、食道無弛緩症(アカラシア)、食道炎、薬物性など | |
5.全身状態 | 感染症、中枢神経疾患、心疾患、呼吸器疾患など | |
6.精神・行動・ 心理的問題 | 乳幼児摂食行動障害(拒食、食事恐怖、幼児経管栄養依存症、栄養過剰)、偏食、自閉スペクトラム症など | |
7.その他 | 口内乾燥(Sjögren症候群、薬物性)、歯肉口内炎など薬物性・中毒症(向精神薬、睡眠薬、抗けいれん薬、筋弛緩薬)など |
10.おわりに
子どもは発達期にあり、現在の状況を維持することが目標ではない。子どもは機能の向上ために適切な経験を積み重ねることが必要であり、その支援は子どもの能力を引き出すことが大切である。
そのためには子どもの行動をしっかりと観察し、正常発達、障害の評価、治療計画を理解することである。障害のある場合は正常な発達と同じ過程で進むわけではないが、正常な発達過程と比較して評価することにより、治療計画に取り入れられる対応法も多い。そして対応法に迷うときは、自分たちがおいしく感じる食事は何かを考えることである。
参考文献
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・田角 勝: 小児の摂食嚥下リハビリテーション 第2版. 290p, 医歯薬出版, 2014
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つばめの会顧問 田角 勝
(昭和大学医学部小児科客員教授)
略歴
1978年 昭和大学医学部卒業、昭和大学医学部小児科前期助手
1980年 関東労災病院小児科
1981年 神奈川県立こども医療センター神経内科
1983年 昭和大学医学部小児科助手
1988年 昭和大学医学部小児科講師
1997年 せんぽ東京高輪病院小児科部長
2003年 都立北療育医療センター城南分園園長
2005年 昭和大学医学部小児科助教授
2006年 昭和大学医学部小児科学講座教授著書
・田角勝, 向井美恵: 小児の摂食嚥下リハビリテーション. 第2版, 医歯薬出版, 2014
・田角勝: トータルケアで理解する子どもの摂食嚥下リハビリテーション-食べる機能を支援する40のポイント-. 診断と治療社, 2013