背景
2009年10月に在胎41週3日、2886gで生まれる。
妊娠中も特に異常は見られず、3か月頃まで母乳とミルクの混合で過ごす。
これまでの経緯
3か月頃から哺乳瓶やミルクを嫌がり、完全母乳に。
4か月検診の際も異常なし。
6か月の立てるようになった頃、離乳食を始めました。食卓を囲んでも食べ物に興味を見せることがなく、スプーンやおはし、指に食べ物をつけて口元まで持っていっても顔を背けて抵抗。口の中に無理に入れると吐き出してしまう。
9か月検診も離乳食以外については発達に特に異常を指摘されることもなく終わる。
1歳頃には歩けるようになる。
バナナやヨーグルトなど、子供が好きだと思われるものすら食べるのを嫌がり、スプーンや食事形態、介助者を変えても食べようとしない日々が続き、ほぼ母乳で1歳半まで過ごす。
時々気が向いた時のみ自らスプーンを持ち味噌汁の上澄みやカレーの液体部分を味見程度になめる。
断乳も試みるがお茶をごく少量口にするものの食べ物は拒否。
結果的に体重が落ち、フラフラ状態に。
栄養を食事から摂るというような量には到達できず、母乳ばかりを欲しがるため、市の保健師さんや児童相談所に相談。
血液の状態が気になるため、地元の小児科で母子共に血液検査を実施。
母は異常はみられなかったが、子はコレステロール値が異常な値で鉄分も不足しているということがわかり、こども病院を紹介される。
こども病院ではまず総合内科を受診、並行して歯科・代謝分泌内科を受診。
診察方針が決定したところで経管栄養のお子さんを多数診られている脳神経内科で現在も受診。
こども病院に1週間おきに外来で受診するようになり、血液検査・歯科検診・CTスキャン・レントゲンなどを実施。
CTスキャン・レントゲンでは異常はなく、総合内科・脳神経内科では本人の心の問題を指摘、歯科検診では嚥下の機能的な問題はないが、口の中の過敏が影響していると指摘される。
血液検査では、やはりコレステロール値が異常に高い数値および貧血気味であるということで、現状では断乳するには体力がなく、コップやストローから水分を十分な量飲めない状態で脱水する恐れがあるので、鼻から経管栄養しつつ、食事を進めてみるという方針のもと入院が決定。
入院するまで2週間ほど期間があり、その間退院後家でのチューブの入れ替えの不安や注入依存になりますます食事が摂れなくなったら……など悩んだが、当時家庭でできることはなく行き詰まっており、入院することで徐々に栄養は確保できたので、食べさせられないプレッシャーからは少し逃れられたように感じた。
入院してから、注入によりコレステロール値や鉄分の値が標準値になる。
(体の飢餓状態からコレステロール値が異常な数値となっていたよう。)
病棟の看護師さんに食事の介助をしてもらったり、ほかの入院患者さんと一緒に食事を摂るという経験ができる。
色々な人と関わる中で言葉がすごく増え、コップを持って自分で飲み物が少し飲めるようになったり、ハンバーガーなどの固形物を気が向いた時にかじって口の中に入れることも見られるようになる。
しばらく口に入れた後、出すが…。
入院は、3か月にもなった。
注入に慣れ、家庭でもチューブ交換ができるように練習するためもあったが、それ以上に、私自身が普通に日常生活を過ごすことができるようになるまでに、それだけの時間がかかったのだった。
その頃は、親の自分が悪いのではないか、周りもそう思っているのではないかと、被害妄想的に自分を追い詰めていたような精神状態で、毎日とりとめのない考えに陥ったり、焦りのあまり夜中に起きて家事をするというようなこともあった。
こども病院を退院後、実家で子供と2週間ほど過ごし、自宅に帰ってからは注入が可能なこども園で週1日過ごし、こども園のお友達の食事の様子を見せてもらったりしている。
入院前から相談していた保健師さんから療育センターを紹介され、月2回通所してSTの方に担当していただいている。
現在の状況(2012年4月現在)
栄養を摂るために、エンシュアHとラコールを併用して、1日3回食事後に注入。
エンシュア3缶を吐かずに注入できる時もあるが、吐く日もよくあり、ラコールに変えたり量を調節して注入。
現在、2歳7か月で身長は86cm、体重は11kg。
公園で滑り台をすべったり、散歩中犬や猫に会えるのが楽しみなようで、散歩で歩ける距離も1.2kmほどになった。
こども園に通うようになり8か月が経過したが、給食時、ちゃんと椅子に座り、歌を歌い、ごはんや味噌汁や野菜の煮物を2・3口(極めて少量ですが)口に入れて飲み込んでいるよう。
園長先生から
「知り合いの発達障害にも長年取り組んでおられる先生を紹介するので、予防接種がてら一度診察に」とアドバイスを受け、後日その先生とSTの方に見ていただいたところ、「外の世界と的確に対応しようとしているので発達障害ではない」「ある日突然食べだすのでは」とのこと。
療育センターで
初回診察の際、2歳1か月だが1歳半くらいの状態で発達の遅れがあると言われ、発達障害については今後…ということになった。
できればチューブを外して(食べられるようになってから)幼稚園や小学校に通わせたいと思っているが、近隣の幼稚園は3年保育がメイン。
幼稚園に問い合わせた所、実際に面談してチューブのことを気にされていたので、もし園でチューブが外れても帰宅後チューブをつけるので問題ない旨を説明した所、入園前に実施される子育てサークルに参加できることになった。
形態・食材・食事の道具・食事の雰囲気を変えても食べることができない子には、正直何を用意したらよいのか見当がつかない。
同じものばかり出すわけにもいかないし、手を替え品を替えても食べようとしない子を前にすると、食事を用意するのも食事中の時間も苦痛に感じる時があり、注入という方法がなければどんなことになっていたのかを考えると恐ろしい。
追記(2014年3月)
2013年9月から、近所の保育園に入園できて、初めは給食をあまり食べず。
今も少なめに給食を入れてもらっているようだが、全部残さず食べるようになった。
入園するまで果物も全く食べられなかったが、皆が食べていることと、先生が上手にすすめて下さった結果、バナナ・りんご・みかんを少し食べられるようになった。
家では、野菜は相変わらずカレーやミートソース、お好み焼きに入っていると食べるが、温野菜や生野菜は食べない。
好きなもの中心に食べている。
食べる量が増えたので不安もなくなった。野菜ジュースやヤクルトで補えばそれでいいか、と思っている。
また、入園して1か月経たないうちにおむつが完全にとれた。保育園に入園する前の重苦しさは一体…という感じ。
保育園が終わると、時々友達と家で遊んだり、遊びに行ったりということもできるようになった。
また、去年6月に療育センターで発達検査を受け、10か月ほど遅れていると診断を受けた。今年1月に再度検査をすると、年相応の発達が見られるので1月で療育センター通いも終了となった。年長さんになったら検査の予約をしてねという話になった。
私はといえば、診断書をもらって入園させることができたが、今は就職活動をしている。
献立に悩むといったこともなくなり、元の自分に戻れたような気がする。